TOS BLOG

不登校からの高校・大学受験|個性である。という認識

日本LD学会参加報告

日本LD学会参加報告

第23回大会
大会テーマ「より効果的な支援をめざして~学習支援から問う特別支援教育~」
期日:2014年11月23日(日)24日(月)
会場:大阪国際会議場
開催:国立大学法人 和歌山大学

1992年に設立された日本LD学会は、この4月に会員数8000名に達した。この分野では日本最大規模の学会である。今回の第23回大会にも、3000人以上を超える関係者が参加していたと思われる。教育、医療、心理、言語、福祉など様々な実践領域から、講演やミニレクチャー、シンポジウム、研究発表が、二日間にわたり行われた。主な内容は次の通りである。

■特別講演
■スウェーデン ヨーテボリ大学児童精神科教授 クリストアァー・ギルパーグ氏「一生涯を見据えたESSENCEという考え方」
■アメリカ セント・ジョーンズ大学心理学教授 ドーン・フラナガン氏「新しいLDの判断」
■京都大学 膏藤智氏「ワーキングメモリと認知の構え」
■学会企画シンポジウム 1~6
日本LD学会の軌跡、特別支援教育体制は本当はどこまで進んでいるのか?、幼・小・中・高の特別支援の連携、中学校通級指導教室の役割、小・中におけるユニバーサルデザイン、地域におけるLD支援、雇用における合理的配慮、次世代を担う指導者養成など
■教育講演 1~8
知能のPASS理論に基づいた心理検査DN-CAS、特別支援教育の視点を踏まえた学校体制づくり、RTIとMIM、DSM-5における発達障害、脳科学より褒めの教育効果を考える、学習科学からわかる算数と国語のつまずきのポイント、発達障害と二次障害、当事者から学ぶ学習のつまずきなど
■ミニレクチャー 1~7
KABC-Ⅱ、ワーキングメモリのアセスメント、心理的擬似体験プログラム、LDスクリーニングキットSKAIP、不器用さと学習、視機能・視覚情報処理と学習、算数障害など
■自主シンポジウム 58件
■研究発表(ポスター発表) 207件

膨大な数の講演・シンポ・発表が、別会場で同時に平行して行われているため、興味のある講演・シンポ・発表全てを聴講することができないのは非常に残念である。しかし、参加者全員に配られた発表抄録(PDF形式でUSBメモリに収められている)には、最新の研究結果や実践報告など他では得られない大変有意義な情報が詰まっており、発達障害支援に携わる者全てにとって参考になるものであると思われる。
以上

報告者:瀬村江里子(家庭教師)

トラックバックURL: https://www.tos-kc1.com/blog/2015/archives/no.16/trackback