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不登校からの高校・大学受験|個性である。という認識

時間の流れはみんな同じじゃない。知ってほしい「僕の時間感覚」

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●体内時計は生まれつきではない

私たちは日常の生活を24時間の中で、できるだけ習慣的に生活しようとしています。
基本的には朝起きて、日中には学校や会社に行ったり家事をしたり、帰ってきたら夕飯を食べ、そして寝る。
合間にゲームやテレビなどの娯楽をはさみリフレッシュを行い、宿題や1日の振り返りを行い次の日に備えます。
こうした時間感覚は元々体内時計を育てることから始まり、私たちが身に着けている時間の流れも赤ちゃんのうちからこうした体内時計を持つよう習慣づけられたことによります。

●24時間、深夜帯の労働も昔からあった?

いったん、働き方に焦点を当ててみます。
今ではコンビニが24時間営業、夜勤業や深夜に働くパターンが増え、深夜帯に働くことによって体内時計が乱され体調を崩す、とされていますが、こうした深夜帯の勤務は現代特有の働き方ではありません。かつては食糧庫の警備に当たることもあったでしょうし、深夜帯に看護する人たちは古くから存在していたはずです。牢獄の番人もいたことでしょう。多くはこうした生活が表向きにはならなかっただけ、ということができます。それが現代になって働き方の1つとしてスポットが当たった結果、人間の体内時計から比較したときに問題が生じる可能性があるのでは、と研究されるようになったと考えられます。
さて、働き方や学校の在り方については別の機会を待つとして、本題は体内時計にもタイプがある、ということです。分かりやすいところでは朝方、夜型、ですね。

●体内時計と社会的時間

冒頭に述べましたが、体内時計はまず習慣づけられるところから始まります。多くは日中を活動の時間帯と設定し、夜を寝る時間と設定するところから始まります。そして小学校に上がると時計を学び、体内時計の在り方を社会的時計の在り方に合わせていく「社会適応」という方法を学びます。
ところが、児童にはこうした適応が上手にすすまず不適応を起こす場合があります。発達の速度に個人差があるなら、体内時計と社会的な時間への適応が進まない児童がいることは決して不思議なことではありません。そしてこの不適応を起こしやすいのは、多くは発達障害を抱えている児童、ということになります。

●時間のずれによる困難

理由は「衝動的になりやすいがための適応の困難」「体内時計と社会的時間感覚のずれによる困難」などがあります。
幼いうちに発見されることは難しいのですが、社会適応が難しい児童にとってはこの社会的時間が葛藤を生む一因になっている可能性があります。その時、障害は2次障害を発生させ、不適応を一段と進行させます。
ポイントは体内時計の在り方を見直す、ということです。そして社会的時間の在り方とすり合わせたときに不適応を起こしているようなら、時間のコントロールは何よりも重要なポイントとなります。

●時間での区切りではなく、行動での区切り

特に時間の概念の獲得が難しい児童にとっては「○○時になったら○○」といった時間設定は難しい場合があります。そのときは「○○をしたら○○」と行動から習慣の形成を始めるのが妥当です(というより本来の体内時計の作り方です)。そして「○○があるから今は○○」と、見通しを立てる場合にも有効。特に衝動性が高い児童にとって、先に良い見通しが立たなければその場を乗り切ることが難しい場合があります。先の見通しとは主に行動を通して得られる快体験があるかどうか、ということです。
大人でも「○○時になったら。」というのは目途を立てるには効果的ではありません。それよりも作業量を決め、その作業を終えた段階で切り替える方が次につなげやすいのです。

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